最終更新日 2023.10.13

SDGsとは?17の目標と取り組み事例をわかりやすく徹底解説!

SDGsには地球環境を守るだけでなく「貧困を終わらせる」「飢餓を終わらせる」「健康的な生活を確保して福祉を促進しよう」をはじめ、すべてで17の目標が掲げられています。SGDsの取り組みと聞いても、17の目標のうち、どれに該当するかを知っている方はまだ少ないのではないでしょうか。

本記事では、SDGsの概要と掲げる17の目標・取り組み・企業がすぐに始められる対策について紹介します。

企業のSDGs、博報堂の“攻め”の脱炭素サポート「Earth hacks」

目次

SDGsとは

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、2001年に策定された、ミレニアム開発目標(MDGs)の後継とされています。地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っており、2030年までに世界的に認められた持続可能な開発を目指す国際目標として、17の目標・169のターゲットを構成しています。

たとえば、貧困の撤廃・質の高い教育・すべての人への健康提供・エネルギー・気候変動対策などのトピックスを扱っています。これらの目標には、経済的な成長、社会的な進歩、環境の保護といった3つの要素がバランスよく含まれています。

SDGsの目標は、世界中のすべての国々が取り組むことが求められており、発展途上国・先進国を問わず取り組み、日本も積極的に活動しています。

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SDGsが掲げる17の目標

SDGsが掲げる17の目標をそれぞれ簡単に紹介します。

  1. 貧困をなくす
    全ての人々が基本的なニーズを満たすことができるよう、貧困をなくすこと。
  2. 飢餓をなくす
    全ての人々が十分な栄養を得られるよう、飢餓をなくすこと。
  3. 健康と福祉
    全ての人々が健康な生活を送れるよう、促進すること。
  4. 教育
    全ての人々が有益な教育を受けられるよう、促進すること。
  5. 女性と少女のエンパワメント
    女性と少女が男性と平等な機会を持つことを促進すること。
  6. 衛生環境改善
    全ての人々が安全な水と衛生設備を利用できるよう、促進すること。
  7. エネルギー
    全ての人々が安全かつ低炭素のエネルギーを利用できるよう、促進すること。
  8. ジョブと経済の発展
    全ての人が生産性・働きがいのある仕事に就けるよう、経済発展を促進すること。
  9. 強いインフラ作り
    電気や水道、鉄道など災害に強いインフラを整備し、経済成長を促進すること。
  10. 不平等の減少
    国内や国家の不平等を減らすこと。
  11. 持続可能な都市・居住環境の実現
    安全で災害に強い持続可能な都市と居住環境作りを促進すること。
  12. 責任ある消費と生産
    持続可能な方法での生産、責任を持って食品ロスなどをなくすこと。
  13. 気候変動への対策
    気候変動による影響を軽減するために緊急対策を講じること。
  14. 海洋資源の保全
    海洋資源を守り持続可能な形で利用すること。
  15. 生態系や森林の保護・回復
    生態系や森林の保護・回復、砂漠化や土地の劣化に対応し持続可能な利用を推進すること。
  16. 法・制度で人を守る
    法や制度によって全ての人が守られる社会実現のために、促進すること。
  17. 全員が協力
    持続可能な開発目標を実現するために、全ての人が協力すること。

SDGsで取り組むこと

SDGsで取り組むことについて、以下3点を挙げて説明します。

  • 不平等をなくす
  • 暴力・差別をなくす
  • 地球環境を守る

不平等をなくす

1つ目は不平等をなくすことです。

SDGsで「不平等をなくす」という目標は、世界中の人々にとって平等な機会の提供を目的としています。この目標は、格差や貧困・経済的不平等・ジェンダー不平等・健康不平等・教育不平等・衛生環境・生まれた国の違いなど、様々な形態の不平等解消が含まれています。不平等をなくすことで、人々はみな自分の潜在能力を最大限に発揮できるようになり、生活の質が向上するでしょう。

不平等をなくすためには、政治的な決定・経済的な政策・教育・ジェンダー平等・健康などの多様な領域からのアプローチが必要です。ビジネスや市民社会、国際社会などあらゆる方面からの支援が不可欠です。

暴力・差別をなくす

2つ目は、暴力・差別をなくすことです。

SDGsで「暴力・差別をなくす」という目標は、世界中の人々への暴力や差別の撤廃が目的です。世界では、暴力に対する対応、児童労働、児童婚、子どもへの暴力、人権の保護、ジェンダー平等など、さまざまな領域にまたがる問題を抱えています。

暴力・差別がなくなれば、人々が安全で安心できる生活を送ることができます。また、人々が個性を尊重し合い、お互いが協力し合える、社会的な和解が生まれるでしょう。暴力・差別をなくすためには、法的な枠組みの整備をはじめ、教育やジェンダーの平等、少数派の保護など、多様な方面への取り組みが必要といえます。

地球環境を守る

3つ目は、地球環境を守ることです。

SDGsで「地球環境を守る」という目標は、地球環境を保護し、持続可能な未来確保を目的としています。たとえば、大気汚染の改善・生物多様性の保護、水資源の有効利用、エネルギー効率の向上、廃棄物管理などが挙げられます。

地球上の生命を維持し、森林などの環境も豊かにすることで、CO2排出率も減らせます。また、人々のライフスタイルも向上し、将来的に持続可能な社会を実現できるでしょう。地球環境を守るためには、環境に優しい技術の開発・持続可能なエネルギー源の開発・資源の有効利用・環境教育・環境法の施行など、多様な取り組みが必要です。

日本政府によるSGDsの推進体制

日本政府は、SDGsの達成を目指して、様々な取り組みを行っています。

まず、国内外からの支援を受け、2016年5月にSDGs推進本部を設置、2016年9月にSDGs推進円卓会議を設置し、政府と市民社会・企業などのパートナーシップを構築しました。また、2016年12月には政策の方向性を国民に示すために、SDGs実施指針を策定しました。

この計画には、SDGsの達成に向けた具体的な目標や取り組み、政策の方向性などが示されています。SDGs実施指針は、SDGs達成のための戦略的なアプローチ強化に向けて、2019年12月に改定されています。

企業がすぐにはじめられるSDGs

企業がすぐに始められるSDGsにはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは、以下4点を挙げて説明していきます。

  • 光熱費
  • 多様な働き方の尊重
  • ペーパーレス化
  • クラウドの利用

光熱費

企業がすぐに始められるSDGsとして、光熱費対策があります。

たとえば、オフィスや工場などの施設において、必要以上に電気をつけないことや、エネルギー効率の高い照明や冷暖房などのエコ・プロダクツ設備を導入すれば、光熱費を削減できます。太陽光発電などの自然エネルギー利用も効果的でしょう。

また、エネルギー使用量に関して、適切な目標を設定・実績と比較することで、効率的なエネルギー使用を全社に促進できます。トラックを使用している会社は輸送手段を軽量化することで、燃費効率向上につながるでしょう。

これらの対策を通じて、企業はSDGsに向けた取り組みを進めながら、光熱費削減や環境保全に貢献できます。

多様な働き方の尊重

企業が多様な働き方を尊重することも、SDGsの取り組みの1つです。

企業の多様な働き方の尊重は、SDGsの目標のうち、「人間の生活と福祉を向上させる」に該当します。たとえば、以下の取り組みを通じて、多様な働き方の尊重を推進できます。

  • フレックスタイム制度を導入し、多様な働き方を可能にすることで従業員のライフバランスを向上させる
  • リモートワークを推進し、従業員が通勤・場所にとらわれない働き方の提供
  • 育児や介護で離職せざるを得ない従業員への在宅勤務推奨
  • 働き方に関する従業員からの相談受付窓口を開設し、アイデアや要望を反映する
  • 働き方に関するトレーニングやセミナーを開催し、従業員に多様な働き方の知識を提供する

これらの取り組みを通じて、企業は多様な働き方の尊重を推進し、SDGsに貢献できます。

ペーパーレス化

ペーパーレス化は、SDGsの目標の1つである「地球環境を守る」に貢献するために推進されています。

企業は、電子化を進めることで、紙の使用を減らして環境負荷の軽減に寄与できます。電子化の対象として、社内文書や会議資料などが挙げられるでしょう。ペーパーレス化すれば、効率的な文書管理ができ、検索性も向上します。企業はSDGsを推進するために、ペーパーレス化をはじめ、エコ活動やグリーンビジネスなどにも力を入れることが望まれています。

クラウドの利用

社内の物理サーバーをオンプレミスからクラウドへの変更もSDGsの取り組みとして重要です。

クラウド環境は、1つの環境で複数環境を集中管理しているため、1環境=1台のオンプレミスに比べ、エネルギー消費や発電に必要な原料の使用量などが減少し、環境負荷が軽減されます。また、クラウドサービスは使った分だけ支払いすればよい従量課金性を採用しているところが多く、企業にとってもコスト削減を期待できます。

システムをオンプレミスからクラウドへ変更すれば、環境負荷の軽減につながるでしょう。

まとめ

本記事では、SDGsについて概要・掲げる17の目標と取り組むべきこと、企業がすぐにはじめられることについて紹介しました。まだSDGsに取り組めていない、SDGsに取り組んでいるもののなかなか効果を実感できない、とお悩みでしたらぜひ当社にご相談ください。

博報堂グループが展開するEarth Hacksでは、海外のSDGsソリューションを日本向けに生活者視点に落とし込み、SDGsを身近に感じてもらうことが可能です。

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BIZ GARAGE 編集部

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