2022.01.28

ECサイトの立ち上げ方とは?構築の費用やフローなど解説

ECサイトを立ち上げてネットで商品を販売したいけど、やり方が分からない」「ECサイトの立ち上げはいくらでできるの?」など、ECサイト立ち上げに関するお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、ECサイトの立ち上げ方、構築の費用やフロー、立ち上げ時のポイントなどについて解説します。

目次

 

ECサイトの立ち上げ方|5つの構築プラットフォーム

まず、ECサイト立ち上げにあたってはプラットフォームを決めなければいけません。プラットフォームとは、ECサイトのベースとなるシステムのことです。

 「自社が希望するECサイトのイメージ」「自社ECサイトで想定される売上規模」などに見合ったプラットフォームを選ぶ必要があります。

 ECサイト立ち上げで活用できるプラットフォームは次の5つです。

  • ASP
  • オープンソース
  • ECパッケージ
  • クラウドEC
  • フルスクラッチ

ASP

ASP(Application Service Provider)とは「ECサイト構築や運営に必要な機能を備えたシステムを、クラウド上でレンタルして立ち上げる方法」です。Application Service Providerの略で、以下の特徴があります。

  • コストを抑えやすい(初期費用やランニングコストが比較的安い)
  • 比較的短期間でECサイトの立ち上げが可能
  • カスタマイズの自由度が低い

ASPはECサイトに必要な基本機能が搭載されたプラットフォームです。最大のメリットはコストを抑えやすく、ECサイト立ち上げまでの時間が短いことです。

 クラウド上でECサイトを立ち上げるため、自社でサーバーを設置する必要がありません。そのため、初期費用やランニングコストを抑えつつ短期間で立ち上げが可能です。

 ただし、カスタマイズの自由度は低く、ECサイトのデザイン変更や機能追加を希望する場合にはおすすめできません。

 

オープンソース

オープンソースとは「無償公開(オープン)されているソースコードを使いECサイトを立ち上げる方法」です。プログラミング技術やコードの知識がある人なら誰でも利用可能で、以下の特徴があります。

  • コストを大幅に抑えられる
  • カスタマイズ性が高い(自由に機能追加や改修が可能)
  • セキュリティ面に不安がある
  • プログラミング技術や知識が必要

オープンソースのメリットはECサイトを安価で立ち上げられ、自由にカスタマイズできることです。

 企業や個人が無償公開するコードを使いECサイトの立ち上げが可能なので、ライセンス費用などがかからずコストを圧縮できます。

 ただ、プログラミングに関する技術や知識が必須であり、不具合やシステム障害などは全て自身で対応しなければいけません。

 また、セキュリティ面が不十分であれば個人情報漏洩なども起こり得ます。ECサイトの信頼を損なうトラブルに発展するリスクが大きい点に注意が必要です。

 

ECパッケージ

ECパッケージとは「パッケージ化されたシステムを個別にカスタマイズしてECサイトを立ち上げる方法」です。顧客の要望に応じてベンダー(システム提供元)がカスタマイズします。特徴は以下のとおりです。

  • ベンダーのサポートが手厚い
  • セキュリティリスクに強い
  • カスタマイズの自由度が高い
  • コストが膨らみやすい(初期費用やランニングコストが高い)

ECパッケージのメリットはカスタマイズの自由度が高く、セキュリティやトラブル時のサポートが充実している点です。

 カスタマイズの自由度が高く、事業規模の拡大に伴い機能追加やオムニチャネル化なども対応可能です。知識やノウハウを持つベンダーに相談できる体制があるため、初めてのECサイト運営も安心できます。

 ただし、初期費用やランニングコストがかかる点には注意が必要です。

 

クラウドEC

クラウドECとは「クラウド上にあるシステムを利用してECサイトを立ち上げる方法」です。クラウド上のシステムは常にアップデートされるため、システムを入れ替える必要がありません。特徴は以下のとおりです。

  • システムが常に最新バージョンにアップデートされる
  • カスタマイズやデザインの自由度が高い
  • 自社でサーバーを持つ必要がない
  • コストが高い(初期費用が高い)

クラウドECのメリットは常にシステムを最新に保つことができ、個別カスタマイズの自由度が高い点です。

 クラウド上のシステムを利用するASPも、システムは常に最新です。ところが、ASPはカスタマイズできないため、将来的に機能向上やカスタマイズを見据える場合はクラウドECがおすすめです。

 また、ASPとは異なりクラウドECは初期費用が高額です。ある程度の資金が用意できる事業者に適したサービスと言えるでしょう。

 

フルスクラッチ

フルスクラッチとは「ECサイトを自社で最初から構築する方法」です。自由に設計・開発が可能なので理想的なECサイトを立ち上げられます。特徴は以下のとおりです。

  • 完全オリジナルのECサイトを立ち上げることが可能
  • 時間とコストが必要
  • サーバーやインフラは自社で管理する
  • システムのアップデートが必要

フルスクラッチのメリットは完全オリジナルのECサイトを作れるため、自社の理想を追求できる点です。独自の機能やサービスを詰め込めるため、他社との差別化を図れます。

 ただし、システム開発には多大なコストと労力がかかり、メンテナンスやアップデート、サーバーの設置から運用・管理まで自社で行う必要があります。

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ECサイト立ち上げにかかる費用の内訳

ECサイトの立ち上げでは、無料で始められるものからオリジナル開発で500万円以上の費用を要するものまで存在します。そのため、費用面を課題に感じる事業者も少なくないでしょう。そこで、各プラットフォームの費用相場を紹介します。

 

ECサイト立ち上げにかかる費用の内訳

ECサイト立ち上げにかかる費用や内訳の相場を以下のとおりまとめました。

プラットフォーム

初期費用

月額費用

費用の合計額

目的

ASP

無料〜10万円

無料〜10万円

無料〜10万円

低コストかつ短期間で始めたい

オープンソース

無料〜10万円

10万円〜

無料〜10万円

低コストでカスタマイズしたい

ECパッケージ

500万円〜

10万円〜

500万円〜

デザインやコンテンツを充実させたい

クラウドEC

300万円〜

10万円〜

300万円〜

システムを常に最新に保ち、独自でカスタマイズしたい

フルスクラッチ

1,000万円〜

10万円〜

1億円〜

自社事業に最適なECサイトを作成したい

初期費用はカスタマイズ費用やデザイン費用など、月額費用は運営・管理費用、サーバー代、アップデート費用などです。

ECサイト立ち上げの目的と負担できる費用面を考慮して、自社事業に適したプラットフォームを選びましょう。

 

ECサイト立ち上げに必要な要件定義|構築のポイント

ECサイト立ち上げには要件定義が必要です。要件定義とはどんなECサイトにしたいか、実現に必要な機能や要件を決めることです。つまり、自社とベンダー側の認識をすり合わせます。

要件定義が不十分だと「イメージと違うECサイト」や「利便性の低いECサイト」が出来上がり、コストや労力が無駄になります。

要件定義の整理では以下の5つのポイントが重要です。

  • サイトの目的や背景(実現したいこと、解決したい課題)
  • サイトのデザインやコンセプト、コンテンツ(どんなサイトにしたいか)
  • システムに必要な機能
  • 計画スケジュール(納期、リリース日)
  • 予算やコスト(初期費用、月額費用)

 

ECサイト立ち上げのフロー|構築手順

ECサイト立ち上げでは、プラットフォームごとに構築手順が若干異なります。

構築手順を押さえることで、要件定義などの際に慌てずに対応可能です。

  • ASP
  • オープンソース
  • パッケージとクラウド

ここでは、上記3つのパターンに分けてECサイトの構築手順を解説していきます。

 

ASPの場合

  1. ASP登録
    Webサイトから会員登録をします。

  2. ショップ作成
    ショップ名や事業者の連絡先、基本情報や問い合わせ先などを設定します。

  3. オープンの準備(商品登録や配送料金の設定など)
    ECサイトに出品する商品情報の登録、ECサイトの決済方法や手数料、配送料金などを設定します。

  4. デザインの設定
    テンプレートからECサイトのデザインを設定します。

ASPでは、クラウド上のECサイトをレンタルするため比較的早くECサイト立ち上げが可能です。

 

オープンソースの場合

  1. レンタルサーバーの契約
    レンタルサーバーを契約します。レンタルサーバーのコストは年間数万円程度です。

  2. オープンソースをダウンロード
    オープンソースの公式サイトからソフトウェアをダウンロードし、コードを改修します。

  3. レンタルサーバーに設定
    オープンソースをレンタルサーバーにインストールします。
    ショップ名、ECサイトのURL、データベースなどを設定します。

  4. デザインの設定や商品登録
    テンプレートをダウンロードしてデザインを設定します。
    HTMLやCSSの知識があれば、自身でカスタマイズ可能です。

オープンソースでは、セキュリティ面やトラブルリスクが高いため、ECサイトオープン前に入念なテストが必要です。

 

パッケージ・クラウドの場合

  1. 要件定義
    自社が求めるECサイトの要件定義を整理します。課題、運用フロー、要望などをまとめます。

  2. 設計
    基本設計や機能設計を明確にします。

  3. 開発とテスト
    要件定義や設計の内容が反映されているか、ECサイトを操作しながらテストします。

  4. オープンの準備(商品登録や決済方法の設定など)
    ECサイトに出品する商品情報の登録、ECサイトの決済方法や手数料、配送料金などを設定します。

  5. デザインの設定
    ECサイトのデザインを設定します。

カスタマイズの自由度が高く、理想のECサイトが立ち上げやすい反面、自社とベンダー間の認識を詰める必要があります。

 

ECサイト立ち上げで注意すべき3つのポイント

ECサイト立ち上げの際は、見た目だけではなくユーザーの利便性やECサイトの目的を重視しなければなりません。

なぜなら、自社の理想とするECサイトが必ずしもユーザーが望むものとは限らないからです。

ECサイトを運用してから何度もカスタマイズしないで済むよう、ECサイト立ち上げ時に注意すべきポイントを3つ説明します。

 

ターゲットユーザーのマーケティングは十分か

ECサイトで成功するためには集客力が必要です。なぜなら、現代はASPやオープンソースなどを利用すれば、個人や小規模事業主でも簡単にECサイト立ち上げが可能で、ECサイト自体の数が増えたからです。

そのため、ECサイト立ち上げ時にはターゲットユーザーのマーケティングを行いましょう。もちろん運営後も継続的に実行する必要があります。

具体的には、市場や競合他社を調査して、リスティング広告やSEO最適化、ソーシャル広告などの対策を講じて、集客力を高めていきます。

つまり、最初から完璧なECサイトを作るのではなく、運営しながらECサイトを柔軟にカスタマイズしていくのです。

 

運営サイトはユーザーの視点で使いやすいか

どれだけ質の良い商品を販売しているECサイトであっても、利便性が悪いECサイトではユーザーは離れていきます。そのため、ECサイトを立ち上げる時はユーザー視点で使いやすいサイトを目指しましょう。

使いやすいサイトを実現するためには、「ユーザーの求めるコンテンツが伝わりやすいデザインか」「ユーザーにとって重要な情報が目に入りやすいか」を意識しましょう。

ただし、機能やコンテンツを追加し過ぎると情報過多になるため注意が必要です。集客力の強い他社サイトで、デザインやコンテンツを参考にしましょう。

 

カスタマーサポートの体制は充実しているか

カスタマーサポートの体制が充実しているかを必ず確認しましょう。

なぜなら、完成したECサイトをトラブルなく運営できる保証はないからです。また、「顧客の個人情報が漏洩してしまった」「決済したが商品が発送されない」などのトラブルでユーザーに迷惑をかければ、ECサイトの信用は失われます。

「カスタマーサポート」について詳しく知りたい方はコチラから

さらに、事業規模の拡大に伴い、リニューアルをするケースもあります。

そのため、トラブル時やECサイト運営に関するサポートが充実したベンダーを選定しましょう。

まとめ

ECサイトを立ち上げる際は各プラットフォームの特徴やメリットを理解し、どんなECサイトを作りたいかを明確にする必要があります。

ただし、自社から見て理想のECサイトがユーザーの視点と合致するとは限らないため、集客に苦労する事業者も多いでしょう。また、ECサイト立ち上げ時にミスをすれば軌道修正に大きな労力がかかりますし、ECサイト運営中には大小問わずさまざまなトラブルが発生します。

そこで、ECサイト立ち上げからマーケティング、カスタマーサポートまでを総合的に支援する企業を利用するのもおすすめです。博報堂グループの日本トータルテレマーケティング「EC総合支援サービス」なら、ECサイトのコンサルティングから広告運用や運営代行まで、ECサイト立ち上げから運営に関するサポートをワンストップでご提供いたします。

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NTM_Turumi

靏見 亮太(つるみ・りょうた)

日本トータルテレマーケティング株式会社 ECソリューション営業部 部長

大学卒業後、大手アパレル企業に入社しセレクトショップへの卸営業、直営店の運営を経験。その後、レディースアパレル、雑貨、コスメのEC事業運営会社に入社し営業、MDを経験。現在はEC運営事業者様向けに売り上げアップ、業務改善、品質改善を中心に多数のプロジェクトに従事。

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