2023.11.17

激化するECモールで、勝ち抜くために必要な戦略とは?

近年、コロナ禍などの影響を受け、電子商取引(EC)市場は急速に拡大しています。BtoC-EC市場は、2021年に市場規模が20.7兆を突破するなど引き続き成長傾向にあり、中でもECモールにおける競争はさらに激化しています。

日々めまぐるしく変化するECモールで、勝ち抜くためには何が必要なのでしょうか。本記事では、EC市場の最新動向やAmazonや楽天市場などECモールでのビジネスを成功させる、博報堂D Yグループならではのソリューションをご紹介します。
経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」より

目次

加速するECシフトの中で勝ち抜くには、ECモール戦略がより重要に

日本のEC市場の規模は年々拡大傾向にあり、ECシフトが加速しています。中でも企業から生活者がモノやサービスを購入する「BtoC-EC」領域が成長を牽引しており、その背景には、コロナ禍によるリモートワークの増加や購買行動の変化があります。

生活者は購買環境をますますECへシフト/利用者の増加に伴い市場規模も拡大

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リアル店舗では、エリア商圏にどれくらいの人口がいるか、どの商品を店頭スペースに置いてもらえるかといった要素が重要になります。一方でECモールでは、これまでのエリア商圏や既存流通に縛られずに巨大なECモール商圏で展開でき、顧客の規模が圧倒的に広がります。

またECモールであれば、商品ページを作れば誰もが自由に商品を販売でき、リアル店舗を持たずにビジネスを始めることもできます。さらに多様なデータを収集でき、データに基づいた事業PDCAやマーケティングに活用しやすいというメリットもあります。

こうしたメリットから多くの企業がECモールに新規参入する中で、課題を抱える企業も少なくありません。「ECモール事業を伸ばしたくてもなかなか伸ばせない」「ECモールごとの特性やシステムがわからない」「競合商品が多く埋もれてしまう」など、多くの企業が課題を抱えています。

「無限の棚」と表現されるECモールにおいて、出品・出店しているだけで売れる時代は終わりました。激化する競争から抜け出すためには、独自のECモール戦略が重要となってきます。大切なのは、ECモールをリアル店舗の副次的なチャネルとして捉えるのではなく、一つの事業と捉え戦略を立てて運営する視点です。

ECビジネスを考える際は、「単なるチャネル開設・整備」に終始するのではなく、「事業として成り立つか」を意識し、他事業・リアル店舗とも連携し、戦略を考えていく必要があります。

ECモール戦略領域ごとの「点」ではなく事業全体の「面」で捉える

ECモールでの戦略を、オペレーション運営・店舗運営・広告・ブランディングなどの「点」で考え、個別で最適化を図っている企業も多いのではないでしょうか。

しかし単発で課題対策を行っても、大きな効果には直結しません。ECモールは独自のシステムが連鎖して、影響を与え合っていることが多いからです。また企業が課題と認識していない部分に、課題の真因があることもあります。

例えばある企業では、広告運用や商品ページの改善を積極的に行っていたものの、売上が低迷していたことがありました。一方、さまざまなデータを分析するなかで、根本的には欠品対策に課題があり、ECモールへの納品スピード遅延などがボトルネックとなった結果、欠品につながり、売上低迷に寄与していることがわかりました。

そこで、物流まわりのオペレーションを改善した結果、売上が向上しました。つまりECモールで成功するためには、戦略領域ごとの「点」を近視眼的にみるのではなく、トータルの「面」で複眼的に課題をとらえ、対応することが必要なのです。

しかし全ての「面」での対策を、自社の限られた担当者が行うのは大きな負担になることが多いです。そこで博報堂DYグループでは、ECモールにおける戦略策定から事業運営から施策実行まで、フルファネル・ワンストップで対応しています。

オリジナルの市場分析データや生活者データベースに基づいた戦略立案を始め、各ECモールの特性に基づいた改善ポイントの洗い出しから、日々のPDCA運用、さらには総合広告会社としてのナレッジを活かした広告制作から、物流・コールセンター業務などの実装まで、豊富なソリューションを提供しています。

また、多様化するEC課題に対し、博報堂DYグループ内外のEC領域に精通したプロフェッショナルが、会社の壁を越えてワンチームで連携。短期的な数字の改善だけではなく、長期的な事業の成長につなげています。

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ECモールを起点とした商品開発や流通販路のサポートも

例えば、あるメーカー企業の場合、ECモールに特化した商品のローンチを企画段階からフルでサポートさせていただきました。

独自のデータから市場の流行や生活者のニーズを読み解き、新商品のコンセプトをご提案。販売シミュレーションはもちろん、どのような戦略を策定し、商品ページでは生活者にどのように訴求をするか。値崩れしないようにいくらで価格設定を行うか、ローンチ後に垂直立ち上げのためにどのような販促施策を行うかなど、ゼロから一気通貫してサポートさせていただきました。

その結果、新商品の立ち上げが難しいと言われているECモールでも、想定以上の売上を記録することができました。新商品が軌道にのったことで、今ではさらなる商品開発の企画も立ち上がっています。その他の商品のサイトも改善を図り、全体的なECモールでの売上も、サポート前と比べ急成長することができています。

コンサルティングというと口先だけというイメージも持たれがちですが、我々はECモールをコンサルティングしておしまいというわけではなく、経営戦略立案から各種サービス実装、日々の地道な事業運営といったことを、泥臭く実行できるのが強みです。

博報堂DYグループ内でもワンチームのスタッフで対応していますが、企業の皆さまともワンチームで並走して、長期的なゴールを目指していきたいと思っています。

ECモールビジネスでの成功が必要不可欠な時代が訪れる

ECが一般的に根付いた現代。特にECモールは、利便性や購買体験も拡張していき、生活者の主要購買チャネルとしてさらに存在感が増すことが予想されます。売上に占める割合もますます大きくなっていくことでしょう。だからこそ、ECモールで成功することが企業にとっては必要不可欠となってくるのです。

ECモールに参入する企業が抱える課題は多種多様ですが、そもそも自社の課題がどこにあるのかを把握できていないケースも多数存在します。

現在、博報堂DYグループでは、EC事業全体のどこにボトルネックがあるのかを探し出す、EC事業診断パッケージなどの用意もあります。課題は表層的なところではなく事業の根幹のところに課題もあるケースもあります。まずは課題を可視化して、手をつけられるところから改善していくことができればと考えています。

ECモールは大きな可能性を持っています。自社のポジショニングやターゲットを明確化し、各モールの特性を把握した上で運営を行えば、日本全国そして海外にまでお客様を拡大できる可能性を秘めており、大きな成長の余地があるチャネルです。

我々は、ECモール領域を全方位的に網羅したコンサルティングの他にも、新規EC事業の立ち上げや、海外への越境ECなど幅広い対応が可能です。Amazonや楽天市場などECモールでの成長に伸び悩んでいる企業や、ECモールへの新規参入を検討されている企業のご担当者は、ぜひお気軽にご相談ください。

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小田 塁(おだ るい)

HAKUHODO EC+
博報堂 ショッパーマーケティング事業局
メーカーDX推進グループ ビジネスプラニングディレクター

2019年博報堂中途入社。マーケティングリサーチ会社や大手ECモールでのキャリアにおけるデータ・ドリブンな事業支援経験をもとに、さまざまな企業のEC事業戦略策定から施策の実行に至るフルファネルでのコンサルテーションに従事。「HAKUHODO EC+」のメンバーとしても、グループを横断したEC業務対応やソリューション開発を推進。

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