最終更新日 2024.3.21

生活者に価値を届けるための博報堂流BPO運営のポイント

地方行政のデジタル化やコロナ禍などを背景に、自治体に求められる役割は変化してきています。多様化する業務に職員だけで対応するのは難しく、優れた専門性を有する外部委託事業者に依頼するBPO(Business Process Outsourcing)が注目を集めています。

本記事では、BPO業務に最前線で取り組んでいる担当者が、近年の市場動向や生活者にとっての事業効果を最大化する「博報堂流BPO」をお伝えします。

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目次

BPOとは

昨今、耳にするようになったBPOとは Business Process Outsourcingの略称です。
BPOは専門性の高い外部委託事業者が、業務にかかわる専門部門を設置して、継続的に業務を行うことを指し、民間企業や官公庁・自治体などの自社業務の一部を切り出し、自社社員が業務指示や業務管理をするアウトソーシングや業務委託とは異なります。

 

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近年のBPOの動向について

BPOの概況を見ていくと、2020年度の国内BPOサービス全体(IT系BPOと非IT系BPOの合算値)の市場規模は事業者売上高ベースで前年度比1.9%増の4兆4,307億8,000万円と増加傾向にあります。また、今後も市場は成長傾向にあり、2025年度には4兆9,327億6,000万円となるとの予測がなされています。

国内BPO市場規模推移・予想
国内BPO市場規模推移・予想

出典:株式会社矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査(2021年)」(2021年11月9日発表)

BPO業務の領域拡大

BPOの大きなメリットは、発注を行う民間企業、官公庁・自治体がより優れた専門性を有する外部委託事業者に依頼することで、単にコストを下げるだけでなく、より優れた業務品質を実現し、顧客への提供価値を高められるということです。

こうしたメリットを背景にBPOの業務領域は年々拡大しており、元来BPOが実施されてきたシステム運用管理業務やコールセンター系業務のみならず、総務・人事・経理・事務・マーケティングなど間接部門系業務・販促・営業といった直接部門系業務、公共制度の推進といった官公庁・自治体特有の事業なども含まれるようになってきています。

博報堂で対応しているBPOは、広告会社としてさまざまな企業と協業してきた経験をもとに、非IT系業務を中心として、幅広い領域を対応しています。

例えば、民間企業マーケティング領域のBPOでは、Web広告の制作や配信運用などのPDCAを実行しています。また近年では官公庁・自治体BPOを中心に事業の全体設計からオペレーションまで含めた事業全体のPDCA実行を担う一気通貫型BPOも対応しています。

 

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BPO業務における重要なポイント

PMOのイメージ

BPO業務が抱える最大の特徴として、ステークホルダーの多さが挙げられます。

例えば、ある団体の事業を一括受注した場合、その事業の方針策定を行うコンサルティング機能、PDCAを行うプラニング・マーケティング機能やシステム構築機能、外部からの問い合わせなどに対応するコールセンター機能など、提供すべき機能が非常に多岐にわたります。まさに、小さな会社を作り運営を行うイメージに近いかと思います。

このように会社運営と捉えてみると、当然ながら各機能が別個に活動しているとスムーズな事業運営は難しくなります。互いの機能を、よい意味で越境しながら接着点を見つけ、事業を遂行していくことで、その事業の運営がよりよいものになっていきます。

また、効果を最大化するためには、ステークホルダー全員が共通して目指すべきゴール像・目標像を設定することも重要です。「このメンバーで何を達成するのか?それはどんな意味があるのか?」このように企業活動における事業理念やミッションに近いものを設定することで、担当者の意識統一がなされ、より良い事業運営が可能となります。

このようにBPO業務はまさに会社運営と近いノウハウが必要になってくるわけです。その意味で、全体をマネージメントする仕組みであるPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)機能が非常に重要となります。

BPO市場の争点とプレーヤー

ここで、視点を発注サイドに切り替えてみます。

発注側からすると、当然ながら専門分野でない業務を自社で行うよりもメリットがあるという期待をもって発注を行うと思います。

期待するメリットは、いくつかありますが、一番は「効率性」かと思います。自社で専門外の事業を運営する場合、組織構造を最適化し、最適な人材を融通し、教育しなければならないなど、多くの投資が必要です。投資は、お金という意味だけでなく、時間や人的リソースなど、重い負担も強いられます。この負担軽減のためにもBPOという仕組みが活用されています。

だからこそ、BPO事業者の選定にあたっては、「どれだけ効率的な事業運営が期待できるのか?」が一番の争点になりますし、多くのBPO事業者はそれぞれ独自の効率性をアピールすることで受注につなげていくというのが、現在の潮流といえます。効率性のアピールの例として、ある企業では、事業プランの検討やPDCAに加えて、強みであるシステム開発まで一気通貫で対応しています。

 

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博報堂が考える、あるべきBPOの姿

ここまでお話したとおり、現状、BPO業務で一番求められる点は“効率化”ですが、その転換の兆しが見え始めていると博報堂は考えています。「どのように効率化するか?」から、「効率化の先に何を見据えるか?」こそが重視され始めています。

昨今、“パーパス”が経営課題として定着し始めています。これは、ビジネスの効率化の先に、何のためにその事業を行うのか?という意義が問われ始めているということだと思います。
企業の事業を受注するBPOについても、このパーパスの考え方を取り入れることが重要になりつつあります。

ここからは、このパーパスを守備範囲に入れた新しいBPOのあり方についてお話しします。

 

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パーパス発想を取り入れたBPO

まず、高度なプロジェクトディレクションで重要なのはBPOを“パーパス発想”で行うということ。その事業のエンドユーザーを想像し、彼らのニーズやインサイトを真摯に見つめ、「この事業で何を成し遂げたいのか?」「世の中にどのような価値を提供できるのか?」を考え抜くことが重要です。“パーパス発想”に基づいた博報堂流のBPOのポイントは、下記の3点です。

  • 駆動するコンセプト設計
  • インナーアウター両面からのUI/UX設計
  • 一気通貫した体制構築

駆動するコンセプト設計

広告会社が得意とするコンセプト設計は、これまで主にプロダクトマーケティングやサービス開発領域で重要視されてきたスキルでした。コンセプトとは、元来、戦略を“一言”で簡潔に言い当て、実行策開発の原典とするものです。オンラインツールが発達した現在、BPOにおいてもデジタル導線においてどのように顧客を動かすのかを具体的に想像できないと、効果的な事業運営を図ることが難しくなります。

だからこそ、エンドユーザーに促したい行動やそれを実現するための仕組みまでを守備範囲とした“統合ワード”、すなわち事業コンセプトを開発することで、ステークホルダー全員の目線を合わせ、各領域での業務が効率化することが重要なのです。こういった事業を貫くコンセプト開発は博報堂流BPOならではの強みといえます。

インナーアウター両面からのUI/UX設計

また、BPO業務は大抵の場合、エンドユーザーの分析が業務範疇に入ってきます。これを、誰が・どのように・どのくらいの期間で実行するのかも含めた業務設計・ディレクションが重要です。UI/UXというと、ほとんどの場合エンドユーザーの視点のみで語られることが多く、事業主体である事務局を代表としたインナー視点でのUI/UXは規定されることが少ないのが実情です。

しかし、BPOのようなインナー視点での分析が必要な業務では、インナーサイドのUI/UXの規定が非常に重要となり、分析者が使いやすいUIを組むことは、業務の効率化に直結することになります。こうしたインナー視点でのUI/UX構築は見落とされがちですが、コンセプトによるステークホルダーの意識統一を行うことで、事業目的に対して効率的な事業運営がなされ、事務局としても進めやすい業務設計を行うことができます。

一気通貫した体制構築

最後に、当然ながら、どのような体制でBPOを行うのかも、事業運営上の重要な問題として挙げられるでしょう。業務設計を考える戦略部門が、実務を担当するオペレーション部隊の業務進行やシステム設計などに関する知識がないと、机上の空論としての設計に留まり事業全体が機能しないという事態に陥ります。

私たちは広告代理店として、戦略からアウトプット領域まで一貫した業務に日々携わっています。だからこそ、その強みを活かした体制構築が、BPOの効果を最大限に発揮する上で必要であると考えます。

 

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まとめ

このように、博報堂流BPOは、昨今のBPO市場の隆盛の中で、私たちの強みを存分に活かし、効果的な事業運営を行います。生活者にとっての事業効果を最大化する上では、上記のような“パーパス発想”が必要であり、その実現のためにはコンセプト・UI/UX・体制構築の3点を押さえた運営が求められます。

そして、これらは博報堂流BPOが最も得意とするポイントです。現状の業務がうまくいっていないと感じている方、新たにBPOをご検討されている事業者の皆様には、ぜひ博報堂にご相談いただければと思います。

小池 健人(こいけ けんと)

小池 健人(こいけ けんと)

博報堂 第2BXマーケティング局プラニング4部 マーケティングディレクター
博報堂クロスコンサルティング BXコンサルタント

大学院修了後、2015年に株式会社博報堂に入社。ストラテジックプラニング職として、多様な業界の事業戦略、ブランド戦略、マーケティング戦略を支援。BPO業務では、事業方針設計や戦略構築、PDCA構築実行等を主に担当。大学における講義等、教育支援にも積極的。

宮島 達則(みやじま たつのり)

宮島 達則(みやじま たつのり)

博報堂 第2BXマーケティング局プラニング3部 マーケティングプラナー
博報堂クロスコンサルティング BXコンサルタント

2019年株式会社博報堂に入社。ストラテジックプラニング職として、企業の事業・ブランドマーケティング戦略立案・調査分析業務・官公庁/企業BPO業務に従事。トイレタリー・食品・住宅検索サイト・省庁・自動車・保険等幅広い業種に携わる。BPO業務では事業方針設計や業務フロー構築、不正対策、PDCA構築等を主に担当。

児島 真菜(こじま まな)

児島 真菜(こじま まな)

博報堂 第2BXマーケティング局プラニング4部 マーケティングプラナー

2021年に株式会社博報堂に入社。ストラテジックプラニング職として、企業の事業・ブランドマーケティング戦略立案・調査分析業務・官公庁/企業BPO業務に従事。外資系メーカー・省庁・シェアリングサービス・食品メーカー・消費財メーカー等様々な得意先を担当。BPO業務では、事業方針設計や戦略構築、PDCA構築実行等を主に担当。

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