最終更新日 2023.12.13

「パーパス」策定後の企業における課題とは?

社会やビジネスにおける不確実性が高まる現代において、社会的使命とビジネスを両立した役割を果たすことを明確にした「パーパス」を策定する企業が増えています。 

変化の激しい時代に、「パーパス」を策定することは、企業にとっての「北極星」、つまり経営にまつわる様々な意思決定を支える、短期的・中長期的な軸をつくることと同義であり、「パーパス」に基づく企業経営とは、単に文言を策定することでも、社内外に文書を発信して終わるものでもありません。 

「パーパス」は企業経営に活かされてこそ意味があるものと言えますが、「パーパスが実装に繋がらない」という相談を耳にすることも多い現状があります。 

一般生活者や従業員を含めた複数のステークホルダーの「パーパス」に対する理解・共感を獲得すること、組織づくり、事業活動などの企業経営に「パーパス」を活かすことは、多くの企業にとってハードルが高く、策定したパーパスと企業活動が紐づいておらず、企業変革に繋がっていないといったケースも散見されます。 

 我々はこれを“パーパス作りっぱなし問題”と呼んでいますが、多くの企業が「パーパス」策定後、このような課題を抱えています。 

目次

博報堂では、ビッグデータ×AIでパーパス策定後の企業活動を支援する「パーパス・アクション・サイクル」 を提供しています。⇒サービス紹介ページはこちら

「パーパス経営」を支援するソリューション「パーパス・アクション・サイクル」 

このような「パーパス」策定後の企業の課題解決を支援するため、博報堂では独自の“「パーパス」の効果検証・アクション開発プログラム”である「パーパス・アクション・サイクル」を開発しました。 

社内外に対する「パーパス」の浸透状況について、様々なデータソース(SNSでの投稿、企業内ネットワークでの発言や投稿、一般生活者や従業員に向けたアンケート調査の自由回答など)の質的(定性的)データを、AIを用いて解析することで、生活者や従業員などが「パーパス」をどのように認識しているのかについて定量化して評価します。 

質的データの解析、例えば、SNSでの投稿などは、場合によっては何万件にもなり、人の目で判定することは非常に難しくなります。 

しかし、AIに判定方法を学習させた上で分析をすれば、膨大な質的データを短時間で分析することができます。よりスピーディーかつタイムリーに、「パーパス」についての社内外の浸透状況が定量的に可視化できるようになります。 

AIによる質的データの分析結果を踏まえて、「パーパス」浸透における課題を抽出し、「パーパス」起点のブランディング経験が豊富なコンサルタントとクリエイターが、「パーパス」が企業活動に実装されるための、社内外に向けた企業活動(組織開発、事業開発、コミュニケーション開発など)を支援していきます。 

「パーパス・アクション・サイクル」概要 

「パーパス・アクション・サイクル」では3つのSTEPを循環することで、企業と顧客・社会との双方向・持続的なコミュニケーションが可能になり、真の意味での「パーパス経営の実践」を推進していきます。 

一般生活者、従業員、その他複数のステークホルダーにおける「パーパス」の理解・共感などの浸透状況を測定しながら、課題を明らかにし、さらなる「パーパス」(企業やブランドの価値)の浸透に向けたアクションを創出していきます。 

STEP1】「パーパス」価値軸規定 

「パーパス」は短く、抽象的な文章で策定されることが多いですが、その中には複数の価値が統合され包含されています。 

STEP1ではこのようなパーパスを形作る要素を一度分解して抽出し、企業/ブランドとしてモニタリングしていくべき「価値軸」(7~8程度)を規定します。さらにその価値軸に関連するワードも設定していきます。 

STEP2】AIリスニング* 

STEP2ではSNSの投稿やブログ、口コミデータ、社内外のアンケート調査の自由回答、自社発信のプレスリリースなどのデータを収集したうえで、STEP1で規定した価値軸と関連ワードをAIに学習させ、収集したデータの中に価値軸に関連するワードがどれだけ含まれているか、テキストの中にあるワードの言及状況をAIで解析し、スコアリングしていきます。 

膨大な質的(定性的)データを定量的に分析し、可視化することで、発信内容(プレスリリースなどの内容)と受信内容(SNS上での発言)の差、社内と社外の浸透状況のギャップ、時間軸による変化など、「パーパス」の浸透状況のモニタリングが可能になります。複数の価値軸の数値を比較してスコアが低いものがあれば、その価値を浸透させていくことを今後の課題とします。 

 「パーパス・アクション・サイクル」はどのような業種でも活用可能ですが、取得するデータは業種により変わる可能性があります。 

BtoC企業の場合は、SNSデータの分析が可能だと思いますが、BtoB企業の場合は、取引先アンケートやメディア記事なども分析対象になります。収集データの準備に関しても博報堂ブランド・イノベーションデザインのコンサルタントがご支援します。 

 *このSTEP2では、博報堂と Insight Tech社が協働し、 Insight Tech社が京都大学との共同研究で開発した最先端の文章解析 AI「ITAS」を用い、SNS 投稿などの膨大なデータを分析します。

AIリスニング

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STEP3】シンボルアクション開発 

STEP1~2での分析結果をもとに、「パーパス」に関連する価値の浸透に向けて、ブランディングの経験が豊富なコンサルタントとクリエイターがブランド・アクションを開発します。 

組織開発、事業開発、社内外に向けたコミュニケーション施策など、「パーパス」浸透(価値軸の伝達)において有効だと思われるアイデアを幅広く創出します。 

例えば、分析の結果「技術力」「イノベーション」などのスコアが他の価値軸と比べて低い場合は、そのような価値の伝達を強化する社内向け施策(インナーブランディング活動など)、社外向け施策(広告、イベントや商品開発など)などポイントを見極めた上で活動内容を検討していきます。 

 このプログラムの最後に「サイクル」とつけているように、具体的な活動が実施されたあとに再び「パーパス」の浸透状況の分析をし、効果検証を行う「PDCAサイクル」を推進することを想定しています。 

AIリスニングを通じて、一般生活者や従業員、その他のステークホルダーと「パーパス」についての対話が可能になることで、生活者をはじめ、複数のステークホルダーと共により良いブランドを共創し、継続して育成していくことが可能になると考えています。 

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パーパス策定後の企業変革を推進 

「パーパス」の策定は企業経営において非常に重要なものになりつつありますが、文言の抽象度が高いからこそ、そこに込められた価値についての、生活者一人ひとり、従業員一人ひとりの受け取り方は一様ではないと思われます。「パーパス・アクション・サイクル」を通じて、一人ひとりの声に耳を傾けることで、現在の「パーパス」浸透状況を知り、これから目指すべき地点を定めることができます。 

「パーパス」を策定し、プレスリリースや広告、イベントなどで社内外にも発信した後、浸透状況が気になる方、「パーパス」を起点とした企業変革を推進したい方は、ぜひ一度博報堂ブランド・イノベーションデザインにご相談いただければと思います。 

上記3STEPに基づいて、「パーパス」浸透状況のみならず、課題の抽出と、狙い通りの価値をより浸透させ、「パーパス」起点の企業経営を支援してきます。ぜひお気軽にご相談いただければと思います。 

博報堂では、ビッグデータ×AIでパーパス策定後の企業活動を支援する「パーパス・アクション・サイクル」 を提供しています。⇒サービス紹介ページはこちら
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岡田 庄生

株式会社博報堂
ブランド・イノベーションデザイン局 部長 /
イノベーションプラニングディレクター /
博士(経営学)

2004年入社。ブランド戦略・マーケティング戦略の策定や新商品・新サービスの開発などを支援するコンサルティング業務に従事。2022年、法政大学大学院経営学研究科 後期博士課程修了。博士(経営学)。武蔵野大学客員教授。同大学アントレプレナーシップ研究所客員研究員。日本マーケティング学会常任理事。

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山田 聰

株式会社博報堂
ブランド・イノベーションデザイン局
部長 コピーライター​

2006年博報堂入社。制作職として、多様な業種のコミュニケーション開発、クリエイティブ開発、商品開発に従事。2011年より博報堂ブランドデザインに加入。企業・商品のブランディングやイノベーション支援に携わる。アジア太平洋広告祭ヤングロータスグランプリ、グッドデザイン賞など受賞。​

和泉プロフィール (1)

和泉 舞

株式会社博報堂
ブランド・イノベーションデザイン局
マーケティング・プラニング・ディレクター​

2013年中途入社。ストラテジック・プラニング職として、事業開発、ブランド戦略立案、商品開発、広告戦略立案など幅広い業務を経験。様々な定量・定性調査、行動データなど複数のデータハンドリングによるインサイト分析に基づく戦略・戦術立案を支援。

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